受け継がれる江戸ことば

受け継がれる江戸ことば

実は上野風月堂の社内では今だ飛び交う江戸ことば。
ユニークな言い回しや粋な表現など、気風のいい江戸っ子の世界へようこそ。

江戸っ子言葉

江戸っ子の定義は「三代続いて江戸に住んでいること」など諸説あるようですが、260年以上も、江戸・東京で代を重ねてきた風月堂では今もまさに「江戸っ子言葉」が花ざかり。そんな今も生きている江戸っ子の言い回しをここではご紹介いたします。

■勢いが大事!真っつぐで真っちろで。

江戸っ子は「ひ」と「し」の区別がつかないというのは有名ですね。
年配の方の中には「潮干狩り」が「ひおしがり」になったり、「広くするのか白くするのか」わからなかったり、「おしたし」か「おひたし」か迷ったりすることもあるようです。
でも江戸っ子も代が進み、最近では話すと「はしふへほ」になってしまう人は少なくなってきました。
ただ「ひ」と「し」だけでなく、「さ」行が「た」行になってしまうことは、しばしばあります。「真っすぐ」が「真っつぐ」、「真っしろ」が「真っちろ」、「真っさお」が「真っつぁお」といった具合です。
「この道を真っつぐ行ってどん突き当たり」
「渋滞にはまって真っつぁおだったよ」
といったように日常的に使っていて、実はあまり意識していないかも?
基本的に江戸っ子は早口で発音の勢いが強いのが特徴。「し」と「ひ」の区別はつくようになってもキレのいい話し方はずっと変わっていないのですね。

■ 江戸っ子は大げさが好き?

何かというと言葉を二つ重ねて強調するのも江戸っ子の特徴。
美味いの美味くないの、暑いの暑くないの、といった調子でしゃべります。
「それが美味えの美味くねえのって(私はびっくりした、あまりの美味さに)」というようにつながるわけです。
「ない」と言っているから否定しているわけではなくて、二重に言うことでそれがどんなにすごいことかを強調しています。
ちょっと大げさにも聞こえますが、テンポのいい話具合についつい引き込まれて「そんなにすごいのか」と感心してしまうことのほうが多いように思えます。
「この炎天下、外を15分も歩いたら暑いの暑くないのって、もう汗だらだらで」なんて聞いたらこちらも暑くなってくるくらい臨場感がありますよね。(笑)

監修:堀口茉純